梅に穴をあけるレシピは ○? X? – 浸透圧の働き

先日の記事にも書きましたが、
梅干しや梅酒、梅ジュースやハチミツ梅ジュースなどのレシピでは、
梅に穴を開けたり、傷をつけたりすることはお勧めしていません。
※煮崩れ防止の為に穴をあける梅の含め煮を除く

穴をあける事で、果肉が出てきてしまって見栄えが悪くなったり、
濁ったり、それがカビを発生させる原因になったりと、
あまり良い事がないというのも理由の一つですが、
そもそも穴をあける必要がないからです(^-^)

といいますのも、梅酒に入れる氷砂糖、梅干しで使う塩、
同じく氷砂糖を使う梅ジュース、ハチミツを使うハチミツ梅ジュース。

これらのレシピで共通している点は、
「梅よりも塩分や糖分濃度が高いものを一緒に入れる」という点。

野菜など、お漬け物といえば塩を使いますが、
これは、味付けもあるけれど、一番大事な塩の仕事は、
野菜の中の水分を引っ張り出すこと。

身を引き締めることで、細胞の活動をストップさせて、
栄養を閉じ込めたり(栄養素の減少を防いだり)、
菌の繁殖を防いで保存性を高めます。

たとえば、白菜漬け。
白菜のお漬け物を作る時に、白菜の表面にプツプツと
穴を開けたりしませんよね。かなりな重労働になります(^-^;)

でも、塩をふり、重しをのせてしばらくすると、
野菜の体の中からちゃんと水分が引き出されて、
塩水(塩分と白菜から出た水分)に浸かった状態になります。

これと一緒の働き(浸透圧)を利用して、梅干しを作りますので、
表面にプツプツ穴を開けなくても大丈夫なのです(^-^)

なぜ水分が引き出されるかと言いますと
植物の細胞には、目に見えない小さな穴が無数に開いていて、
水分はこの穴を通る事ができるからです。

でも、そのままでは水分は野菜の体の中から出てきません。

ここで、塩の登場。

塩を使う事で、野菜の体よりも外の塩分濃度が
高い状態になりますので、浸透圧によって、
内側から外側に水分が引っ張り出されます。

氷砂糖を使う梅ジュースレシピを応用して、
ハチミツを使うハチミツ梅ジュースレシピがありますが、
これと同じ原理なのです。

梅の体よりも糖分の高いハチミツの中に梅を入れる事で、
梅の水分を引き出します(^-^)

P.S.
氷砂糖を使った梅ジュース(梅シロップ)作りや梅酒作りも
一緒に書こうと思いましたが、もう一つ面白い科学があるので、
そちらは後述にします。おたのしみに(^-^)


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